Menu

サイエンスヒルズこまつ [ひととものづくり科学館]

  • フォントサイズ
  • 小
  • 中
  • 大

開館時間

 4/1~9/30 9:30~18:00(有料観覧受付は17:00まで)
10/1~3/31 9:30~17:00(有料観覧受付は16:30まで)

休館日 月曜日(祝日の場合は翌日。GW、夏休みは開館)、年末年始

イベント報告

2020.8/9 高橋真理子 プラネタリウム講座「戦場に輝くベガ 約束の星を見上げて」が開催されました

更新日:2020年08月14日

 

終戦から75年・・・
星が戦争に利用されていた時代の史実に基づいたプラネタリウム番組
『戦場に輝くベガ 約束の星を見上げて』の上映とともに、
制作者の一人である高橋真理子さんに番組に込めたメッセージを語っていただきました。

番組上映の前に
番組のテーマとなっている「ベガ」とともに「夏の大三角」「天の川」
「北極星」を紹介。
あわせて、日周・年周運動によって、ベガは年中見ることができることを説明いただきました。

星空案内の後は
番組に出てくる「天文航法」「高度方位暦」について解説。星によって自分が今いる位置がわかることを説明されました。

続いて、番組制作秘話など。取材時の印象に残った言葉などを挙げられました。
「仲間はみんないなくなったのに自分だけ生き残って申し訳ない」
「戦争には勝ちも負けもない どちらも失うものばかりだ」
「元フィアンセからの手紙を今でも持っている」
「あんな戦争は二度とごめんだね」

そしていよいよ
『戦場に輝くベガ 約束の星を見上げて』
の上映。
番組を通して、
「かつて星が武器になっていた時代があった」「戦争は、誰からも大事なものを奪う」
という現実があった一方で、
「星」は、戦争によって引き裂かれたものをつなぐ力があるのでは、
とのメッセージをお話いただきました。

星空に明るく輝くベガ。
番組をご覧になった皆さんは、これまでとは違った思いでこの星を見つめるのではないでしょうか。

また、小松空港の隣にある「航空プラザ」に
番組中に登場した陸上爆撃機「銀河」の翼端が、国内で唯一のものとして、保存、展示されていることもお知らせいただきました。
これは要チェック!!

そしてラストは、地球を飛び出し宇宙へ。
そこで、ボイジャー1号が40天文単位(60億㎞)離れたところから撮った地球”Pale Blue Dot”を表示し、カール・セーガンの著書の一節を朗読。

もう一度、あの点を見て欲しい。あれだ。あれが我々の住みかだ。あれが我々だ。あの上で、あなたが愛する全ての人、あなたが知る全ての人、あなたが聞いたことのある全ての人、歴史上のあらゆる人間が、それぞれの人生を生きた。人類の喜びと苦しみの積み重ね、何千もの自信あふれる宗教やイデオロギーや経済ドクトリン、すべての狩猟採集民、すべてのヒーローと臆病者、すべての文明の創造者と破壊者、すべての王と農民、すべての恋する若者、すべての母と父、希望に満ちた子供、発明者と冒険者、すべてのモラルの説教師、すべての腐敗した政治家、すべての「スーパースター」、全ての「最高指導者」、人類の歴史上すべての聖者と罪人は、この太陽光線にぶら下がった小さなチリの上に生きた。

地球は広大な宇宙というアリーナのとても小さなステージだ。考えてほしい。このピクセルの一方の角の住人が、他方の角に住むほとんど同じ姿の住人に与えた終わりのない残酷さを。彼らはどれだけ頻繁に誤解しあったか。どれだけ熱心に殺しあったか。どれだけ苛烈に憎しみあったか。考えてほしい。幾人の将軍や皇帝が、栄光の勝利によってこの点のほんの一部の一時的な支配者になるために流れた血の川を。

我々の奢り、自身の重要性への思い込み、我々が宇宙で特別な地位を占めているという幻想。この淡い光の点はそれらに異議を唱える。我々の惑星は宇宙の深遠なる闇に浮かんだ孤独な芥だ。地球の目立たなさ、宇宙の広大さを思うと、人類が自らを危機に陥れても他から救いの手が差し伸べられるとは思えない。

地球は現在知る限り命を宿す唯一の星だ。少なくとも近い将来に、我々の種族が移民できる場所は他のどこにもない。訪れることはできるだろう。移住はまだだ。好もうと好むまいと、今のところ、我々は地球に依存せねばならない。

天文学は我々を謙虚にさせ、自らが何者かを教えてくれる経験である。おそらく、このはるか彼方から撮られた小さな地球の写真ほど、人間の自惚れ、愚かさを端的に表すものはないだろう。それはまた、人類がお互いに優しくし、この淡く青い点、我々にとって唯一の故郷を守り愛する責任を強調するものだと私は思う。

(カール・セーガン『Pale Blue Dot』(邦題:惑星へ)より)

星空は地球上で起きているさまざまな出来事を俯瞰している一方で、誰もが地上からは同じ空を見ることができる。
また、星は時空を超えて人をつなぎ、遠い所から人間社会の小ささを教えてくれる。
私たちの力の及ばない、深遠な世界があるからこそ多くの想像力を与える。

そのような想像力があれば、戦争は起きないはず・・・

と力強く述べられました。
参加された皆さまに、その思いはきっと伝わっていると思います。

高橋真理子さんはこの日の活動についてご紹介してくださいました。こちらもぜひご覧ください。
http://hoshitsumugi.org/news/6337/
本当にありがとうございます!

あと・・・
本講座中にさりげなく、私たちの上映番組「K☆T☆Nの時間」を宣伝してくれたことも感謝です。

最後になりましたが、高橋真理子様、そして今回の講演会にご参加された皆様、本当にありがとうございました!!




2020.8/9 高橋真理子 プラネタリウム講座「戦場に輝くベガ 約束の星を見上げて」が開催されました – サイエンスヒルズこまつ